2022年度 公開研究会

 

「再生可能エネルギーをめぐる景観」

 

主催:日本建築学会都市計画委員会グローカル景観デザイン小委員会

日時:2022年9月5日(月)18:00~20:30

会場:オンライン開催(Zoom)

URL:https://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2022/i010_20220905.pdf

 

 

■趣旨

 景観や都市デザインをめぐる状況は、グローバルとローカルの境界を越えて、再生可能エネルギーの導入や環境保全の広がり、相次ぐ自然災害に対応できるレジリエンスな地域づくり、そしてコロナ禍による人々のコミュニケーションとライフスタイルの変化等、未だかつて経験したことのない状況へと大きく変化しつつあります。本小委員会は、急変するこれらの状況を踏まえた景観施策の枠組みについて、研究、課題抽出、提言することを目的に研究に取り組み、①アフターコロナ、②再生可能エネルギーの普及・環境保全、③災害に対するレジリエンスという3つのテーマを切り口に、グローカルに今起きている現象の把握・整理を進めています。

 今回の研究会は、②再生可能エネルギーの普及・環境保全に着目して公開で議論を進めます。登壇者から再生可能エネルギーに伴う地域の取り組みや海外の現状や課題などを紹介いただき、急速に深まる再生可能エネルギーに伴う景観変容を考察し、グローカルな視点から日本における再生可能エネルギーと共存する景観ビジョンについて、議論します。

 

■プログラム

1.本研究会の進め方  阿部貴弘(日本大学教授)

2. 主旨説明       志村秀明(芝浦工業大学教授)

3. 登壇者による事例説明

  ①秋田典子(千葉大学教授)

   「我が国の太陽光発電施設の景観課題に係る論点」

  ②渡部 健(株式会社向こう三軒両隣)

   「まちづくりに貢献する電力の地産地消」

  ③宮脇 勝(名古屋大学准教授)

   「ドイツとイタリアの風車ゾーニングと日本の景観アセスメントの課題」

  ④沼田麻美子(土地総合研究所)

   「ドイツの日常生活における太陽光発電エネルギーとの共存」

4. ディスカッション

5. まとめ        阿部貴弘(日本大学教授)

  

 ■開催結果(概要)

 再生可能エネルギーをめぐる景観と題し、公開研究会を実施しました。

 54名の参加があり、主旨説明、4名の登壇者による事例説明、質疑応答、まとめを行ないました。

 海外の事例に着目することで、現時点での国内での議論不足の点が明らかになりました。

 具体的には、本小委員会の趣旨であるグローカルという視点について、再生可能エネルギーをめぐる日本の現状と課題や地域の取り組み、海外については、イタリア、ドイツ、イギリス等における再生可能エネルギーをめぐる事例紹介や課題についても説明がなされ、異なる法制度やゾーニングを軸に景観を考える上での課題について、議論を深めることができました。

 今回得られた視点を取り入れ、今後の小委員会活動での研究・議論をさらに発展させていく予定です。