2022年度 公開研究会

 

「自然災害に対するレジリエンスと景観」

 

主催:日本建築学会都市計画委員会グローカル景観デザイン小委員会

日時:2023年2月20日(月)18:00~20:30

会場:オンライン開催(Zoom)

URL:https://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2023/i20230220.pdf

 

 

■趣旨

 グローバルとローカルの境界を越えて、コロナ禍による人々のコミュニケーションとライフスタイルの変化、再生可能エネルギーの導入や環境保全の広がり、そして、相次ぐ自然災害に対応できるレジリエンスな地域づくり等、景観や都市デザインをめぐる状況は、未だかつて経験したことのない状況へと大きく変化しつつある。本小委員会は、急変するこれらの状況を踏まえた景観施策の枠組みについて、研究、課題抽出、提言することを目的に研究に取り組み、①アフターコロナ、②再生可能エネルギーの普及・環境保全、③災害に対するレジリエンスという3つのテーマを切り口に、グローバルとローカルの両方の視点から、今起きている現象の把握・整理を進めている。

 既に①②の公開研究会を実施しており、今回は③災害に対するレジリエンスに着目して公開で議論を進める。登壇者から、防災対策や復興事業による、様々な災害に対するレジリエンスと景観について、地域の取り組みや海外の現状や課題、土木や建築との捉え方の違いなどを紹介いただき、今後の景観政策の見直しに向けた課題の整理を行う。グローカルな視点から自然災害に対するレジリエンスと景観について、議論を深めたい。

 

■プログラム

1.本研究会の進め方  松井大輔(司会、新潟大学准教授)

2.主旨説明      志村秀明(芝浦工業大学教授)

3.登壇者による事例説明

 ① 尾野薫(宮崎大学講師)     「土木における減災アセスメントと景観」

 ② 星野裕司(熊本大学准教授)   「河川の景観デザインとレジリエンス」

 ③ 大窪健之(立命館大学教授)   「歴史に学ぶ減災の知恵と景観」

 ④ 益尾孝祐(愛知工業大学准教授) 「歴史的風致の維持向上に資する建物再建」 

4.ディスカッション

5.まとめ       松井大輔(前掲)

 

■開催結果(概要)

 自然災害に対するレジリエンスと景観と題し、公開研究会を実施しました。

 59名の参加があり、主旨説明、4名の登壇者による事例説明、質疑応答、まとめを行ないました。

 様々な災害に対するレジリエンスと景観のテーマで、防災対策や復興事業について、グローバルとローカルの両方の視点から、土木と建築の垣根を超えた登壇者からの講演がありました。講演を受け、国内や海外の取り組みに関する現状や課題、土木や建築の垣根を超えた議論を行いました。その中で、生活と生業を考慮した時間軸の捉え方、土木と建築の空間スケールの連続性、日常と非日常、事前と事後の景観の連続性、地域力や市民力など、今後のレジリエンスと景観を考える上での重要なテーマが議論されました。

 今回得られた視点を取り入れ、今後の小委員会活動での研究・議論をさらに発展させていく予定です。